社長ブログ vol.2
ゴールデンウィーク中の休みの日の夕方、六本木通りの渋滞も、車の止まっている時間が短く、ひょっこり窓の下を見下ろすとドライバーと視線がからむようなこともない。
中心街から少し離れているせいもあって、人通りが少なく車もまばらな界隈の風情は通り過ぎる風の道筋も変えているようだ。
木の葉をうつろわせ、空間から直線的にガラスに降り掛かる光も夜のとばりの前に、静か過ぎるくらいそっと彼方に消えていく。
人の輪郭がおぼろげになる光の後退の瞬間に、都会のせつない思いが凝縮されているのが見える。
ヘッドライトやコンビニのあかりが、より遠くに進んでいく頃、ビルの周りの木々のゆらぎがなくなっているのに気づく。
休日の夜は、一層 闇に近い。
青山トンネルを見ながら、すいこまれる車の車列から工房の中に目を落とすと、蛍光灯の暗いともしびが柔らかで包む様なとばりとなってギタ―をあたためている。フレットが光って、ラッカーが光沢をまとっている。
パク キョヒの音が、わずかな都会の休みの日の喧噪と静寂と同化して、そろそろ祝日営業の工房の、渋谷の、一日が終わっていく。
あぁ〜〜〜〜〜〜
今日は 一人もお客が来なかったー!!
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